『ばらかもん』という作品の成功を大きく左右する鍵となっていたのが、「琴石なる」という少女を誰が演じるかだった。自由奔放で野性味あふれ、それでいて見る者すべての心を瞬時に掴む愛らしさ。その難役に抜擢されたのが、子役の宮崎莉里沙だ。
宮崎の演技は、計算されたものではなく、まるで現場の空気をそのまま吸い込んで吐き出すような自然体そのものだった。杉野演じる清舟との掛け合いでは、台本を超えたリアルなリアクションが次々と飛び出し、監督もその生き生きとした表情を逃さずカメラに収めた。撮影の合間にも、杉野の背中に飛び乗ったり、現場の道具で遊んだりと、まさに「先生となる」の関係性がカメラの外でも構築されていたという。
撮影現場のスタッフからは「莉里沙ちゃんが現場に入ると、一瞬で雰囲気が明るくなる」との声が絶えなかった。彼女が解き放つ無垢なエネルギーこそが、作品全体のトーンを決定づけ、視聴者の涙と笑顔を誘う源泉となったのである。