ステッカーは単なるロゴの複製にとどまらない。現代のファッション史において、それは現代アートを所有する最も身近な手段となった。その象徴がAKIRA×Supremeコラボプロジェクトだ。世界的なカルト人気を誇る漫画『AKIRA』の強烈なグラフィックデザインが落とし込まれたステッカーは、配布直後からプレミアム価格で取引されるコレクターズアイテムと化した。
また、ラグジュアリーとストリートの境界線を溶かした故ヴァージル・アブローの仕事も見逃せない。彼は引用符(“”)や工業用テープのモチーフをステッカー化し、日常のあらゆる物体を「作品」へと再定義してみせた。ステッカーはブランドとクリエイターの思想を最短距離で消費者の日常へ届ける、知的なメディアなのだ。