「まさか、あの人物が……」関係者の誰もが耳を疑った。逮捕された容疑者の横顔は、周囲が知るおとなしく物静かな印象とはあまりにもかけ離れていたからだ。水戸ネイリスト殺害事件の発生から時間が経ち、捜査の手網が絞られるなかで浮上した男の正体。近隣住民によれば、普段は挨拶を交わす程度の目立たない存在だったという。
独自取材に応じた捜査幹部は、事件当夜の綿密な防犯カメラ解析が決め手となったと明かす。監視カメラの映像に残された影、深夜の路地を徘徊する奇妙な動き。一つひとつのピースが組み合わさり、殺人容疑での逮捕状請求へと繋がった。表向きの見せかけの裏に隠されていた冷酷な素顔。身近な関係者すら見抜けなかった執着心が、惨劇の引き金となった形だ。