本作がこれほどまでに熱烈な支持を集めた最大の要因は、作者・小山宙哉による妥協なき取材力とディテールへの執念にある。宇宙航空研究開発機構(JAXA)やアメリカ航空宇宙局(NASA)への徹底した現場取材に基づき、宇宙飛行士の訓練プロセスから管制室の息詰まる心理戦、宇宙服の機構に至るまで、極めて精緻な描写が積み重ねられてきた。
単なる科学的正確性にとどまらず、現場で働くエンジニア、医師、家族たちの人間模様を生々しく描き出した手腕は、本職の宇宙関係者からも絶賛された。フィクションが現実の宇宙開発を刺激し、JAXAの宇宙飛行士選抜試験の応募者急増に寄与するなど、現実社会を動かした稀有な作品として語り継がれるだろう。