大涌谷は美しい観光地であると同時に、現在進行形で火山性ガスを噴出し続ける活動的な地質地帯です。現地を訪れた旅行者の生の声や取材から見えてくるのは、自然の脅威に対する認識不足から生じる突発的な体調不良です。
SNSや口コミプラットフォーム上には、「ロープウェイを降りた瞬間に喉や目に刺激を感じた」「喘息持ちの家族が激しく咳き込んでしまい、すぐに屋内へ避難した」といった報告が少なからず寄せられています。大涌谷周辺で放出される主要ガスは二酸化硫黄(SO2)と硫化水素(H2S)です。これらは低濃度であっても特有の刺激臭を放ち、高濃度になると呼吸器系粘膜を直接刺激して気道攣縮(けいしゅく)を引き起こす危険性があります。
現地管理事務所および箱根ロープウェイでは、以下の健康状態に該当する方に対して、大涌谷周辺への立ち入りやロープウェイへの乗車を控えるよう強く呼びかけています。
- 気管支喘息や慢性呼吸器疾患の既往歴がある方
- 心臓疾患・不整脈の持病をお持ちの方
- 心臓ペースメーカー等の医療機器を装着されている方
- 妊婦、乳幼児、高齢者など体力・呼吸機能が低下している方
- 体調不良や疲労が著しい方
万が一現地で臭気が急激に強くなったり、目や喉に強い刺激を覚えたりした場合は、ただちに風上に向かって移動するか、空調設備と空気清浄機が完備された「大涌谷くろたまご館」「大涌谷駅舎」などの屋内退避施設へ避難してください。現地には救護体制が敷かれていますが、自らの体調と持病を正確に把握した上での自己防衛が第一となります。