忍術学園の生徒たちや六年生・五年生ら選抜部隊が奪還作戦に挑む中、物語の感情的ピークを担ったのが摂津のきり丸と土井先生の絆です。
戦で家族も村もすべてを失い、天涯孤独の身となったきり丸。忍術学園の長期休暇中、きり丸を自宅に引き取り、共同生活を送ってきた土井先生は、単なる教師と生徒を超えた「擬似的な親子」であり、互いにとって唯一無二の居場所でした。天鬼として冷酷に生徒たちへ刃を向ける土井先生に対し、きり丸は命がけで呼びかけ続けます。
土井先生の固く閉ざされた洗脳を破ったのは、高度な忍術でも武力でもなく、きり丸が叫んだ日々の何気ない生活の記憶、そして「土井先生、家に帰ろう」という切実な願いでした。過去の孤独を分かち合ってきた二人の魂のつながりが、天鬼の仮面を打ち砕き、土井半助としての心を取り戻させるクライマックスは、劇場中の観客の涙を誘いました。