東映動画(現・東映アニメーション)制作で1981年にスタートしたフジテレビ系アニメ『Dr.スランプ アラレちゃん』は、水曜夜7時の放送枠で日本全国を熱狂させました。その熱狂の裏で、制作現場や教育現場では凄まじい攻防が繰り広げられていました。
当時の報道やPTA全国協議会の資料によると、番組の爆発的ヒットに伴い、全国の小学校や幼稚園で「木の枝で犬のフンを突っつく子ども」が激増する事態が発生。各地の保護者や教育関係者から「下品極まりない」「衛生教育に悪影響を及ぼす」として、フジテレビやスポンサー各社に抗議電話が殺到しました。一時は打ち切り運動に発展しかねない勢いでしたが、アニメスタッフはうんちくんの描写をよりカラフルかつファンタジックに演出することで対抗し、番組は高視聴率を維持し続けました。
また、声優陣の絶妙な演技もキャラクターの親しみやすさに大きく貢献しました。アラレちゃん役の小山茉美が放つ「つんつん!」という無邪気な声に対し、うんちくん(およびうんちくん一家)を演じた堀内賢雄や佐藤正治、杉山佳寿子らは、コミカルで少し間抜けなトーンを徹底。1997年のリメイク版『ドクタースランプ』では川田妙子(アラレ役)や浦和めぐみらが役を引き継ぎ、世代を超えて「憎めないお茶の間キャラクター」の地位を不動のものとしました。