「まさかあの手の形が、現地で特定の組織を意味しているなんて……」。アメリカ西海岸へ留学中だった日本人学生は、滞在先で体験した恐怖の瞬間をそう語る。友人たちと街角で撮影した写真をSNSへ投稿した数時間後、見知らぬアカウントから不穏な警告メッセージが届き始めた。写真内で何気なく作っていたポーズが、現地の敵対するストリートギャングのシンボルだったのだ。
近年、ショート動画プラットフォームの台頭によって、世界中のストリートで流行するハンドポーズが瞬時に日本の若者の間にも広まるようになった。だが、画面の向こうでラッパーやダンサーが見せる格好いい手つきの背後には、長い抗争の歴史と血生臭いリアリティが張り付いている。バズりを狙った軽い気持ちの真似が、一瞬にして実体的な危険を呼び寄せる時代に突入している。