鬼滅の刃みつりちゃんの魅力と壮絶な結末|伊黒小芭内との愛と運命を解剖

鬼滅の刃みつりちゃんの魅力と壮絶な結末|伊黒小芭内との愛と運命を解剖

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みつりちゃんを語る上で避けて通れないのが、華奢で愛らしい少女の肉体に秘められた常人の8倍に達する筋肉密度という驚異の特異体質です。公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』によると、彼女は生後1歳2ヶ月の時点で、大人が持ち上げるのも一苦労な15貫(約60kg)の漬物石を軽々と持ち上げ、周囲を仰天させました。筋肉が極めて細かく高密度に詰まっているため、外見は至ってしなやかな女性の体躯を保ちながら、相撲取り3人分以上の食事を平らげる超人的な代謝と膂力を誇ります。

トレードマークである桃色と黄緑色の三つ編みグラデーションも、奇抜な遺伝や血鬼術ではなく、「1日170個の桜餅を約8ヶ月間食べ続けた結果、色素沈着によって変色した」という、原作者のユーモアと彼女の桁外れな大食い気質を示す公式設定です。しかし、この個性は平穏な日常において残酷な足かせとなりました。

17歳の時、持ち上がった見合いの席で相手の男性から「君の頭を遺伝されたら恥ずかしくて外を歩けない」「牛のように食べる様は薄気味悪い」と徹底的に罵倒され、破談の屈辱を味わいます。明治から大正にかけて色濃く残る「家父長制と良妻賢母規範」において、規格外の筋力と食欲、奇抜な髪色は「女性としての落第」を意味しました。傷ついた彼女は自らの髪を黒く染め、食事を限界まで切り詰め、弱々しい女性を演じることで別の縁談を取り付けようと試みます。しかし、それは「自分を偽り続けて手に入れる幸福に何の意味があるのか」という激しい自己否定の地獄でもありました。

ありのままの自分を受け入れてくれる場所を求め、そして「自分よりも強い添い遂げる殿方を見つける」という一見不純とも受け取れる動機を掲げて足を踏み入れたのが、超人的な実力主義が支配する鬼殺隊でした。元炎柱・煉獄槇寿郎のもとで修行を積み、やがて自らの才覚で柱へ登り詰めた彼女を、お館様(産屋敷耀哉)は「神様から特別に愛されて授かった力なのだから、誇りなさい」と無条件で全肯定しました。この言葉こそが、甘露寺蜜璃というひとりの少女の魂を呪縛から解き放ち、恋柱を誕生させた決定的な契機となったのです。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。