作曲とオリジナル歌唱を担当したイクマあきら氏のキャリアもまた、極めて異例でドラマティックなものです。イクマ氏は1990年代にファンク・ロックバンド「E-ZEE BAND(イージーバンド)」のボーカル&ギタリストとしてメジャーデビューを果たし、数々のヒット曲を生み出した敏腕ミュージシャンでした。
ブラックミュージック仕込みの強靭なグルーヴ感と洗練されたポップセンスを持っていたイクマ氏は、2000年代に入り沖縄の音楽文化に深く魅了され、拠点を沖縄へと移住します。そこで平田大一氏と運命的な出会いを果たし、沖縄伝統の「琉球音階」と洋楽由来の「ファンク・ダンスビート」を融合させた唯一無二のジャンル「ハイブリッド・オキナワン・サウンド」を確立しました。
『ダイナミック琉球』は、イクマ氏の原曲が放つ強烈なダンスロックのグルーヴを土台にしつつ、その後数多くのアーティストによって歌い継がれ、それぞれ異なる魅力を開花させていきます。
特に石垣島出身のシンガーソングライター・成底ゆう子(なりそこ ゆうこ)氏のカバーは、武蔵野音楽大学で声楽を学んだ確かな発声と、島唄の情念が見事に融合。甲子園のスタンドで女子マネージャーや吹奏楽部員が声を枯らして叫ぶ姿と完璧にシンクロし、楽曲の全国的拡散において決定的な役割を果たしました。