プロ入りを巡るドラマもまた、元木という男の生き様を象徴している。1989年のドラフト会議で福岡ダイエーホークスから1位指名を受けながらも、幼少期からの憧れであった読売ジャイアンツへの入団を熱望して入団を拒否。野球浪人として単身ハワイへと渡った。
異国の地で孤独にバットを振り続ける日々。1年間のブランクという大きなリスクを背負いながらも、彼は自らの意志を曲げなかった。その覚悟が結実したのが翌1990年のドラフト会議である。念願叶って巨人から1位指名を受け、晴れて憧れの縦縞のユニフォームに袖を通すこととなった。
「ジャイアンツで野球がしたい」という愚直なまでの情熱は、やがて球団の象徴であるミスター・長嶋茂雄監督の心をも動かしていく。