小林武史が日本のポピュラー音楽界に与えた影響は計り知れません。1980年代後半、サザンオールスターズのアルバム『Kamome』での斬新なアレンジワークで脚光を浴びた彼は、1990年代初頭にトイズファクトリーの設立とともに音楽制作会社「烏龍舎(OORONG-SHA)」を立ち上げ、プロデューサーとしての黄金期へと突入しました。
当時のチャートを席巻した小林武史プロデュースアーティスト一覧を振り返ると、日本の音楽シーンの変遷そのものが浮かび上がります。Mr.Children、My Little Lover、YEN TOWN BAND、Salyu、レミオロメン、一青窈、そして2010年代にはback numberに至るまで、彼が関わったアクトは軒並み時代を象徴するアンセムを世に送り出してきました。
音楽業界の公表データやオリコンチャートの記録を紐解くと、小林武史 プロデュース代表曲として挙げられるMr.Childrenの「Tomorrow never knows」(1994年/累計売上約276万枚)や「名もなき詩」(1996年/初動売上約120万枚)、My Little Loverの「Hello, Again 〜昔からある場所〜」(1995年/累計売上約184万枚)など、ミリオンセラーを記録した楽曲は枚挙にいとまがありません。単なる商業的成功にとどまらず、映画音楽やオルタナティブなアプローチをポップスに落とし込むその手腕は、当時のJ-POPのクオリティスタンダードを一段階引き上げたと評価されています。