全国のスナックやカラオケ酒場、さらにはSNS上のカラオケ愛好家コミュニティに耳を傾けると、『冬子のブルース』に対する共通した評価が浮かび上がってきます。「テンポがゆったりしているため一見簡単そうに思えるが、実際に精密採点を入れると音程バーのキープが極めて難しい」という現場の声です。
カラオケ大会の常連である60代男性は次のように語ります。「増位山太志郎さんの歌唱は、相撲界出身ならではの太い呼吸器系に裏打ちされた、柔らかくも芯のある脱力ボイス。これを真似ようとして息を抜きすぎると、マイクが音を拾わず声量が不足し、採点マシンの表現力項目で大きな減点を食らってしまう」。
実際に主要機種の採点システムにおける『冬子のブルース』の音程難易度は、5段階評価で「3.5〜4.0」の中上級レベルに位置づけられます。サビに向かって急激に跳ね上がるハイトーンこそないものの、ブルース特有の「半音階の揺らぎ(ブルー・ノート的ニュアンス)」が随所に散りばめられており、機械のバーに杓子定規に合わせようとすると歌謡曲特有の色気が失われ、感情を込めすぎると音程正確率が80%台前半まで落ち込むというジレンマに直面します。