現在、国内サファリパークの多くでは、自家用車の利用自体は許可されているものの、入場時に「緊急時であっても絶対にドアを開けてはならない」「ホーンを鳴らし続けてスタッフの到着を待つ」という誓約事項への同意と音声ガイダンス装置の携行が必須化されています。しかし、一般ユーザーが自家用車で進入した際に抱く心理状態には、依然として危険な油断が潜んでいることが各種口コミや来園者のアンケート調査から浮き彫りになっています。
SNSや大手レビュープラットフォームに寄せられた実際の利用者の声を精査すると、特有の臨場感と安心感のギャップが確認できます。
「自分の車だとエアコンも利いていて、普段の街中をドライブしている感覚になる。すぐ真横にライオンがいるのに、ガラス一枚の向こう側が完全に異世界であることを忘れそうになる瞬間があった」(ファミリー層・30代父親)
「後部座席で子どもがジュースをこぼして泣き叫んだ時、一瞬『路肩に止めて拭いてあげなきゃ』という日常の反射行動が出そうになり、ハッと我に返ってゾッとした」(40代母親)
このように、マイカーの室内は「最もくつろげる日常のプライベート空間」です。その親密な空間が、時速数十キロで獲物を仕留める捕食者の縄張りのど真ん中に突入しているという事実を、人間の脳は直感的に拒絶し、認知の歪み(正常性バイアス)を生じさせてしまうのです。