一般社団法人ペットフード協会が毎年公表している「全国犬猫飼育実態調査」の最新動向を精査すると、日本国内の猫の数(推計飼育頭数)は現在、約890万頭前後で推移しています。これに対して犬の飼育頭数は約665万頭にとどまっており、両者の差は220万頭以上という歴史的な開きを見せています。
時計の針を少し巻き戻すと、2010年代前半までは一貫して犬がペットの王者として君臨していました。当時の犬の飼育頭数は1,000万頭を超えており、猫がその牙城を崩すとは予想されていませんでした。潮目が完全に変わったのは2017年です。同調査において猫が犬の頭数を史上初めて逆転して以来、犬の頭数が右肩下がりを辿る一方で、猫は安定した高水準を維持し続けています。
動物福祉関連の有識者は「この数字の背景には、単に新しく迎えられる子猫が増えたことだけでなく、医療の発達と完全室内飼育の定着によって猫の平均寿命が約15.8歳まで延伸し、生存頭数の母数が長期間維持されている事実がある」と指摘します。人間社会と同様に、猫の世界でも急激な長寿化と高齢化が頭数の高止まりを支える構図が定着しました。