深夜営業を巡る環境の激変は、経済的な理由だけではありません。コンプライアンス遵守と行政指導の強化も、深夜営業の継続を躊躇させる大きな要因です。午前0時以降に酒類をメインで提供する場合、管轄の警察署を経由して公安委員会へ居酒屋深夜営業届出(正式名称:深夜酒類提供飲食店営業の届出)を提出しなければなりません。
この届出を受理されるための居酒屋深夜営業許可条件は厳格に定められています。営業所の所在地が商業地域や近隣商業地域などに限定されている点に加え、客室の床面積基準(1室あたり9.5平方メートル以上、ただし1室のみの場合は制限なし)、見通しを妨げる仕切りの排除(高さ1メートル以上の衝立などの禁止)、照度基準(20ルクス以上)など、クリアすべきハードルは多岐にわたります。
近年、歌舞伎町やミナミ、栄などの主要歓楽街では警察立ち入り検査経緯が報じられる機会が増加しました。風営法深夜酒類提供の無届営業はもちろん、従業員が客席について継続的な談笑を行う「無許可の接待行為(1号営業違反)」や、客引き行為に対する取り締まりが徹底されています。摘発を受ければ営業停止や罰則の対象となるため、コンプライアンスリスクを回避して0時きっかりに閉店する選択を取る居酒屋が相次いでいます。