田子ノ浦親方(元前頭8枚目・隆の鶴)は、鹿児島県出身。名門・鳴戸部屋に入門し、愚直な突き押しと力強い相撲を武器に土俵を務めました。親方の指導者としてのキャリアは、劇的な宿命を帯びたものでした。
2011年、先代鳴戸親方(元横綱・隆の里)が急逝するという相撲界に激震が走った事態を受け、隆の鶴が急遽、部屋の継承者に指名されました。その後、年寄名跡の変更に伴い「田子ノ浦部屋」へと名称を改め、激動の過渡期を乗り越えて弟子たちの育成に尽力してきました。
当初は愛知県や都内各地の仮施設など拠点の移転を余儀なくされましたが、東京都江戸川区東小岩に確固たる拠点を構えたことで、力士が相撲に専念できる環境を整備。部屋の台所を預かり力士たちのメンタルを陰で支える「おかみさん」の温かなサポート体制とともに、家族的な一体感を持つ道場を作り上げています。