嵐の東京ドームライブが語り継がれる最大の要因は、巧みなセットリスト構成と観客を飽きさせない演出技術にあります。演出を担当した松本潤が考案したとされる「ムービングステージ」は、アリーナ席の頭上を透明な床面が移動し、バックネット側やスタンド席の観客の至近距離までメンバーを運ぶ革新的機構でした。現在では国内外の大型コンサートで標準技術となっていますが、この装置の真価が発揮されたのも東京ドームの広大な空間でした。
「5×20」東京ドーム公演でのセットリストを紐解くと、デビュー曲『A・RA・SHI』から始まり、『Love so sweet』『Monster』『Happiness』といった代表曲を完璧なテンポ感で網羅。後半、櫻井翔のピアノ伴奏に合わせて4人が歌い継いだアニバーサリーソング『5×20』では、会場全体が息を呑み、涙を拭うファンの姿が客席を埋め尽くしました。
また、無線制御ペンライト(自動制御フリフラ)による光の演出も、東京ドームのすり鉢状スタンドを生かした芸術でした。5万5,000個の光の粒が一斉に色を変え、スタンド全体に巨大な文字やウェーブを描き出す光景は、単なるアイドルのコンサートを超えた「総合芸術空間」としての評価を確固たるものにしました。当時の感動は、今なおライブDVD・Blu-rayの歴代セールス上位を独占し続けている事実からも裏付けられます。