マイケル・ジャクソンの肌が劇的な変貌を遂げた最大の原因は、指定難病にも数えられる自己免疫疾患「尋常性白斑(じんじょうせいはくはん、Vitiligo)」の発症です。この病気は、皮膚の色素を作る細胞(メラノサイト)が自らの免疫システムによって誤って破壊され、メラニン色素が完全に失われて皮膚が白く抜けてしまう皮膚疾患です。
尋常性白斑の症状は、ある日突然、手の甲や顔面、首筋などに境界明瞭な「白い斑点」が現れることから始まります。世界人口の約0.5〜1%に発症すると言われており、生命を直接脅かすものではないものの、メラニンが消失した患部は紫外線に対する防御力を完全に失います。そのため、直射日光に当たると重度の火傷や皮膚がんのリスクが跳ね上がる過酷な病です。
さらにマイケルは、同じく自己免疫疾患である「全身性エリテマトーデス(SLE)」も併発していました。マイケルの主治医を務めていた皮膚科専門医アーノルド・クライン医師の記録によると、1980年代前半の『Thriller』期から病巣の拡大が確認されていました。人種を問わず誰にでも起こりうる疾患ですが、メラニン色素が豊富な黒人にとって、肌が白く抜け落ちていく精神的苦痛は計り知れないものだったと臨床心理学の観点からも指摘されています。