クラブハリエのバームクーヘンを口にした誰もがまず驚くのが、従来のバームクーヘンの概念を覆す「しっとり感」と「やわらかな口どけ」です。この独自の食感の背景には、親会社である滋賀・近江八幡の老舗和菓子舗「たねや」の歴史と哲学が深く息づいています。
創業1872年の「たねや」が洋菓子づくりを本格化させた際、洋菓子職人たちは和菓子の生地づくりで培われた繊細な水分保持技術と火加減の知見をバームクーヘンに応用しました。一般的な製法よりも卵を贅沢に配合し、メレンゲをきめ細かく泡立てることで、スフレケーキのような軽やかさと濃厚なコクを両立させています。
また、職人が専用オーブンの前で生地の状態や湿度・気温の変化を見極めながら一層一層丁寧に焼き重ねる「手焼きの技術」が、パサつきのないジューシーな層構造を生み出しています。焼き上がりの表面に塗られるフォンダン(砂糖衣)は、シャリッとした軽快な歯ざわりを演出し、口内で生地のやさしい甘みと溶け合う計算し尽くされた仕立てです。