「目薬をいくら差しても、すぐに目が乾く」「一時的にスッキリするが症状が改善しない」と感じている人は少なくありません。この現象には、主に3つの医学的要因が隠されています。
1つ目は、「点眼回数の過多による涙液層の洗い流し」です。目薬を1日に10回以上も頻繁に差してしまうと、目が本来分泌している油層やムチン層といった保護バリアまで洗い流されてしまいます。その結果、涙がさらに蒸発しやすくなり、乾燥が悪化するという悪循環に陥るのです。市販目薬の多くは1日5〜6回が適正限度と定められています。
2つ目は、「防腐剤による角膜への刺激」です。一般的な市販目薬には、品質保持のためにベンザルコニウム塩化物などの防腐剤が含まれています。健康な角膜であれば一定の耐性がありますが、ドライアイですでに傷ついている角膜や、ソフトコンタクトレンズ装用者が頻繁に点眼すると、防腐剤がレンズに蓄積して角膜障害を引き起こすリスクがあります。敏感な状態にある場合は、防腐剤無添加(個包装タイプや防腐剤フリーボトル)の選択が推奨されます。
3つ目は、「充血除去成分の一時しのぎ」です。塩酸テトラヒドロゾリンなどの血管収縮剤が含まれる目薬は、充血を素早く消して白目をクリアに見せる即効性がありますが、血管を無理に縮めているだけのため、効果が切れるとリバウンドで余計に充血や血流不足を招くことがあります。根本治療を目指す際は、成分構成を冷静に見定める必要があります。