2026年、欧州各都市を巡る大楽駝艦のツアー会場は、連日異様な熱気に包まれている。客席を埋め尽くすのは、昭和のアングラ文化を知らないZ世代やZ世代以降の若者たちだ。なぜ今、言語も時代背景も異なる海外の若者が、彼らの舞台にこれほどまでに心を揺さぶられるのか。
デジタルな映像美や整音された音楽が溢れる現代だからこそ、圧倒的な「生の肉体」が放つノイズとカオスが過剰なほどのリアルとして響くのだ。ステージ上で汗を飛び散らせ、喘ぎ、蠢くダンサーたち。その中心に君臨する老将の立ち姿は、デジタル画面の向こう側では決して味わえない、生きていることの狂おしさを突きつけてくる。