解剖学者であり無類の昆虫好きとしても知られる養老孟司名誉館長。彼が長年にわたり提唱してきた「五感で自然を感じ、自分の頭で考える」という哲学が、展示エリアの随所に息づいている。単に虫の標本をガラス越しに眺めるだけではない。虫の目線になって世界を体感できる大型遊具や、触覚・視覚をフル活用するギミックの数々に、訪れた大人までもが思わず声を上げて引き込まれていく。
特に圧巻なのは、昆虫の微細な身体構造を巨大スケールで再現した体験コーナーだ。羽の構造や関節の動きを観察していると、生命が何億年もの進化の中で獲得してきたデザインの美しさに目を見張る。「知識として知る」ことと「体感して納得する」ことの間には巨大な溝がある。この施設はその溝を一瞬で埋めてくれるのだ。