2020年代に完結を迎えた『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、この長きにわたる使徒と人類の相克に完全な終止符を打った。主人公・碇シンジが選んだ「ネオンジェネシス(新たな創世記)」は、エヴァンゲリオンが存在しない世界、すなわち生命の実と知恵の実の呪縛から解き放たれた世界への再構築だった。
使徒という存在は、単なる敵役の枠組みを超え、人間が直面する「孤独」や「他者との隔たり」を物理的に可視化したものだったと言える。互いの領域を侵さずにはいられない生命の悲しい宿命。完結編の提示した答えは、その相克を乗り越えて不完全なまま共に生きていく決意だった。