鴨川の風情は、数々の映像作品や物語の舞台としても強烈な存在感を放っている。万城目学原作の映画『鴨川ホルモー』では、京都の街並みや鴨川の河原が怪しくも魅力的な青春群像劇のキャンバスとして描かれ、鴨川沿いの情景が作品全体に独特の浮世離れした情緒を与えていた。
また、森見登美彦原作のファンタジーアニメ『有頂天家族』では、下鴨神社に暮らす狸の一族が狸鍋の恐怖と背中合わせになりながらも、鴨川納涼床の提灯の灯りの下で化け化けしく宴を催す幻想的なシーンが強い印象を残す。近年ではNetflixで世界配信された京都を舞台とするドラマやドキュメンタリー番組でも鴨川の川床風景が象徴的に捉えられ、映像の美しさが世界中の視聴者を惹きつけている。物語の聖地巡礼として納涼床を訪れる若い世代や外国人観光客も多く、ポップカルチャーと歴史的景観が見事なコラボレーションを見せている。