「平野」という姓が重ね合わせる偶然を、単なる奇妙な一致として片付けることはできない。1997年1月生まれの平野紫耀と、1998年11月生まれの平野歩夢。1歳違いのふたりは、日本が長い停滞感を抱えていた時代に幼少期を過ごした。だが、彼らの感性を育んだのは閉塞感ではなく、グラフィティやスケートボード、ダンスといったストリートの自由な空気だった。
形にとらわれないこと。型にはまった成功パターンを疑うこと。それが彼らの根底にある。平野紫耀はダンスで培った圧倒的な体幹とリズム感を武器に、歌謡曲的なアイドルの枠を越えてグローバルな表現者へと飛躍した。一方の平野歩夢は、スノーボードのみならずスケートボードでも東京五輪に出場するという前代未聞の「二刀流」を達成してみせた。彼らにとって、領域の壁など最初から存在しないに等しい。