ゲンスルーの恐ろしさは、「一ツ罪(カウントダウン)」だけにとどまらない。彼が近接戦闘で多用するもう一つの能力「命の音(リトルフラワー)」との組み合わせこそが、対峙する者を詰みに追い込む凶悪なシステムとなっている。
「命の音」は、手に触れた物質を爆破する変化系の念能力だ。自らの手を保護するために高レベルの「凝」を併用する必要があるため、念のオーラ消費量が激しいという弱点を持つ。しかし、この能力の真価は相手との至近距離での駆け引きにおいて発揮される。
長期間かけて集団に潜入し、言葉巧みに信頼を得ながら「一ツ罪」の条件を満たしていく罠の張り方。そして正体を現した瞬間、パニックに陥ったターゲットを「命の音」の暴力で圧倒する。この二重構造のハメ技は、心理戦を重視する冨樫義博の真骨頂であり、念バトルの奥深さを強烈に印象づけた。