『ハウルの動く城』荒地の魔女の正体と過去|小さくなった理由と結末

『ハウルの動く城』荒地の魔女の正体と過去|小さくなった理由と結末

『ハウルの動く城』荒地の魔女の正体と過去|小さくなった理由と結末の要点を詳しく解説してご紹介します。

物語の中盤における最大の転換点といえば、サリマンに呼び出されて王宮を訪れた荒地の魔女が、急速に縮んで小さなおばあちゃんになってしまうシークエンスです。この劇的な変化には、2つの決定的な要因が作用しています。

第1の要因は、王宮の長い階段を自力で登らされたことによる「魔力と体力の極度な消耗」です。サリマンは魔法使いを無力化するための仕掛けを王宮全体に施しており、魔法による浮遊や従者の補助を封じられた荒地の魔女は、重い肉体を自らの足で運ぶことを強いられました。この時点で、若さを維持するために使っていた膨大な魔力リソースが激しく削られることになります。

第2の決定打が、サリマンの謁見の間で行われた「悪魔祓い(魔力消滅の結界)」です。サリマンは光の魔方陣を展開し、荒地の魔女の中に巣食っていた悪魔の力を根こそぎ焼き払いました。悪魔を追い出された瞬間、彼女が数百年にわたって維持し続けていた「魔力による若作りのメッキ」が一気に剥がれ落ち、実年齢相応の骨と皮だけの小さな老体へと逆戻りしたのです。

この場面は、魔法という虚飾を失った人間がいかに脆く小さき存在であるかを鮮烈に描き出した、本作屈指の名シーンとして知られています。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。