長年にわたり銀幕の第一線で存在感を放ってきたロバート・レッドフォード。2018年、映画『さらば愛しきアウトロー』の公開直前に発表された「俳優業からの引退宣言」は、世界中の映画ファンに大きな衝撃を与えました。その後、2019年の超大作『アベンジャーズ/エンドゲーム』にアレクサンダー・ピアース役としてサプライズ出演したものの、これは古くからの製作陣への友情とファンサービスによる例外的なカメオ出演であり、実質的な主演引退作は『さらば愛しきアウトロー』で完結しています。
引退の真相について、当時の特番インタビューや米エンターテインメント誌の手記で語られた本人の告白は極めて明快でした。「21歳から数え切れないほどの役を演じ続けてきた。もう十分やり切ったと感じたんだ。80歳を過ぎて台詞を覚え、過酷な撮影現場に縛られるよりも、前向きで陽気な役柄でキャリアを締めくくりたかった」。そこには老いへの悲壮感ではなく、自らの人生を自らの意思で舵取りするという確固たる美学が存在していました。
2026年現在のレッドフォードは、喧騒に満ちたロサンゼルスを遠く離れ、自ら愛してやまないユタ州サンダンスやニューメキシコ州サンタフェの広大な私有地で暮らしています。2009年に再婚したドイツ人画家で長年のパートナーである妻シビレ・サガースとともに、絵画の制作や読書、環境保護基金の運営に時間を注ぐ日々です。公の場に頻繁に姿を現すことは少なくなったものの、自然エネルギー推進フォーラムへのメッセージ寄稿など、社会活動家としての知的好奇心と発信力は今なお衰えていません。