サントリー(旧・壽屋)が世に送り出したウイスキー「サントリーオールド」は、1950年の発売以来、日本の洋酒文化を牽引してきた象徴的なボトルです。かつては高級クラブでボトルキープすることがステータスであり、サラリーマンにとっては「いつかはオールドを」と願う出世の証でもありました。このウイスキーを一躍国民的な存在へと押し上げたのが、1970年代から本格化した一連のテレビCM展開です。
サントリー CM 昭和 名作の数々は、開高健氏や山口瞳氏らを擁したサントリー宣伝部の卓越した美意識によって形作られました。商品を直接的に「美味い」「安い」と連呼するのではなく、ウイスキーを飲む「時間」と「人生の陰影」を描く手法は、当時の広告界に革命をもたらしました。
特に昭和50年代から平成初期にかけて制作された映像は、名監督や一流のコピーライターが結集した珠玉の芸術作品です。夜の静けさ、カウンター越しに交わされる視線、言葉少なにグラスを傾ける男たちの背中。そこには、言葉以上の情感を伝える圧倒的な映像美が宿っていました。