電気ブランを取り巻く言説には、長年まことしやかに囁かれている誤解がいくつか存在します。安全かつ健全に楽しむために、その真偽を明らかにします。
最大の誤解は、「電気ブランを飲むと悪酔いする」「二日酔いが他の酒より酷い」という俗説です。これには明確な理由があります。電気ブランはリキュール特有の甘みがあるため、度数30〜40度という強烈なアルコール感を感じにくく、知らず知らずのうちに急激なペースで飲み干してしまうのです。
さらに、先述した神谷バー流の「生ビールチェイサー」を自宅で真似する際、水分補給としてのチェイサーを省略してビールばかり飲んでしまうと、血中アルコール濃度が急上昇します。アルコール代謝の過程で生じるアセトアルデヒドの分解には大量の水分が必要です。「ビールをチェイサーにする際も、必ず同量の常温水を挟む」。これこそが、翌朝に後悔を残さないプロの鉄則です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
電気ブランは万人受けを狙った工業的なお酒ではありません。明治の熱気を閉じ込めた極めて個性的なアルコールだからこそ、向き不向きがはっきりと分かれます。
【向いている人】
・クラフトジンやアブサン、イエーガーマイスターなど、ハーブ系・薬草系リキュールを好む人。
・下町の酒場文化や文豪の歴史など、酒の背景にあるストーリーを味わいたい人。
・自宅でハイボールやカクテルを自分好みに割ってアレンジするのが好きな人。
【慎重になるべき人】
・甘いお酒全般が苦手で、辛口のウイスキーや日本酒のドライな後味だけを求める人。
・漢方薬やハーブの独特の香気に敏感で、薬っぽい匂いを受け付けない人。
・自分の飲酒ペースをコントロールできず、度数の高い酒を一気飲みしてしまう人。