10代のアイドル的人気から、実力派舞台俳優へのシフトチェンジ。芸能界において最も難易度が高いとされるこの変革を、小池徹平はどのように成し遂げたのでしょうか。その足跡を客観的な指標と変遷から分析します。
テレビドラマにおける代表作といえば、やはり『医龍 -Team Medical Dragon-』の伊集院登役が挙げられます。天才外科医・朝田龍太郎(坂口憲二)の圧倒的な技術に圧倒され、苦悩しながらも泥臭く成長していく新米医師の姿は、多くの視聴者の涙を誘いました。また、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で見せた「ストーブさん」こと足立ヒロシ役など、情けなさと愛らしさを同居させる演技力は当時から折り紙付きでした。
しかし、彼が真の覚醒を遂げたのは間違いなくブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』の日本初演(2016年)です。靴工場の跡取り息子・チャーリー役を演じた小池は、ドラァグクイーンのローラ役を演じた故・三浦春馬さんと魂の演技合戦を展開。難易度の極めて高いナンバーを伸びやかなハイトーンボイスで歌い上げ、同作での功績により第42回菊田一夫演劇賞を受賞しました。単なる「人気タレントの客演」ではなく、ミュージカル界のど真ん中で戦える実力を社会に知らしめた瞬間でした。