店内に足を踏み入れると、柔らかく計算された間接照明と、年季の入った美しい木目調カウンターが出迎えてくれます。Barクロクマの店内の雰囲気は、静謐でありながら肩肘を張らせない適度なぬくもりに包まれており、一人で物思いに耽るにも、大切な連れ合いと小声で語らうにも理想的な空間設計がなされています。
バックバーにずらりと並ぶボトルの壮観さは、訪れた酒好きを思わず唸らせます。特にBarクロクマのメニューにおいて際立つのが、余市蒸溜所を近郊に抱える北海道の地の利を活かしたジャパニーズウイスキーの数々です。現行ラインナップから往年の終売ボトルまで幅広く網羅されており、ウイスキーファンにとっては垂涎の品揃えと言えます。
ウイスキーが苦手な方や女性客から絶大な支持を集めているのが、Barクロクマの人気カクテル群です。道産の新鮮な果実や旬の素材を惜しみなく使ったフルーツカクテルは、アルコールの角が取れた繊細な仕立てで、素材本来の香りと瑞々しさが際立ちます。お酒の好みを大まかに伝えるだけで、その日の気分に合わせた至極の一杯を仕立ててくれる柔軟さも魅力です。
カウンター越しに立つBarクロクマのオーナー(マスター)の接客姿勢も、この店のアイデンティティを決定づけています。程よい距離感を保ちながら、お酒の背景や小樽の歴史について気さくに語りかけてくれるマスターの温厚な人柄が、空間全体の柔らかな居心地を支えています。