マンタは本当に危険?「毒針がない」驚きの真相と生態を徹底解説

マンタは本当に危険?「毒針がない」驚きの真相と生態を徹底解説

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巨大な体躯を維持するためのエネルギー源が、目に見えないほど微小な動物プランクトンである点は、海の哺乳類であるヒゲクジラと共通する進化の神秘です。

マンタのプランクトン捕食行動は非常に洗練されています。遊泳時、頭部にある柔軟な頭鰭をスプーンのように広げ、海水ごとプランクトンを大きな口へと流し込みます。エラの内側に備わった「鰓耙(さいは)」と呼ばれるフィルター組織でプランクトンだけを濾し取り、余分な海水だけをエラ穴から排出する仕組みです。

特にプランクトンが高密度で群れる水域では、マンタが連続して後方宙返りを繰り返す「サマーソルト・フィーディング」や、数十匹が列をなして旋回しながら水流の渦を作り出す集団摂食が見られます。このダイナミックな採餌行動は、単なる反射ではなく計算された遊泳制御によるものです。

その背景にあるのが、魚類随一とされるマンタの寿命と知能です。マンタは軟骨魚類の中で脳重量体重比(体重に対する脳の重さの割合)が最大であり、脳の一部は複雑な感覚統合や個体認知を担う構造へと発達しています。推定寿命は40年から50年以上とされ、鏡に映った自身の体を認識しているような仕草を見せる「鏡像自己認知」の実験報告(2016年)もあるほどです。海中でダイバーの目を見つめ返し、周囲の気配を伺いながら泳ぐ姿は、この卓越した知性によって支えられています。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。