稲葉浩志の生い立ちを語る上で欠かせないのが、岡山県津山市にある実家と、ロックミュージシャンとしては異例のキャリアです。
実家は地元で長く親しまれている「イナバ化粧品店」。母親の邦子さんはファンの間でも非常に有名で、全国から訪れるB'zファンを温かく迎え入れ、店内で記念撮影に応じるなど「ファンの聖地」として定着しています。兄が近隣で経営する老舗和菓子店「くらや」とともに、津山市の地域振興にも多大な貢献を果たしてきました。稲葉自身も故郷を深く愛しており、2017年には津山文化センターで凱旋ライブを開催。市役所に感謝状が贈られるなど、地元との絆は今も色褪せません。
また、学歴面における稲葉浩志の横浜国立大学の経歴も特筆に値します。岡山県立津山高校を経て、横浜国立大学教育学部(中学校教員養成課程・数学)を卒業。中学校および高等学校の数学の教員免許を取得しています。
教育実習の際には、当時すでに伸ばしていた長髪をめぐって教員側と交渉したというエピソードも残されています。論理的思考力を養う数学を専攻した経験は、緻密に韻を踏みながら心理の綾を描き出す作詞技術や、自己のコンディションを数値・感覚の両面からシステマチックに管理する現在のストイックな姿勢にも色濃く反映されています。