徳永有美のキャリアにおいて、最大のハイライトとなったのが2018年10月の『報道ステーション』メインキャスター就任です。かつて不倫騒動によって事実上の追放処分を受けた古巣・テレビ朝日の、それも看板報道番組の顔として約13年ぶりに復帰することは、テレビ業界の常識ではあり得ない大事件でした。
この電撃復帰の背景には、いくつかの決定的な要素が重なっていました。第1に、徳永が2017年から出演していたインターネット放送局・AbemaTV(現ABEMA)のニュース番組『AbemaPrime』で見せた、飾らない等身大の進行と確かなアナウンス能力が視聴者や現場スタッフから極めて高い評価を得ていたことです。現場目線での取材力と、母親としての実生活に根差したコメント力は、ブランクを完全に払拭していました。
第2に、テレビ朝日上層部と内村光良の関係修復です。内村はスキャンダル以降、他局で圧倒的な結果を出し続け、NHK紅白歌合戦の総合司会を複数年にわたり見事に完投するなど、国民的人気司会者としての絶対的地位を再構築していました。テレビ朝日側としても過去の確執を清算し、内村サイドとのパイプを太く保ちたいという戦略的意図が合致した結果と言えます。
2021年秋に『報道ステーション』のキャスターを勇退して以降、徳永有美は無理なレギュラー番組出演を詰め込むことなく、文筆活動やドキュメンタリー番組のナレーション、女性誌でのエッセイ執筆など、自身の知性と感性を活かしたマイペースな活動を継続しています。家庭と仕事のバランスを自らの手でコントロールするその生き方は、同世代の女性読者からも厚い共感を集めています。