枕草子「宮に初めて参りたるころ」あらすじ詳細まとめとして、まずはこの章段の全体像を4つのフェーズに整理して把握することが理解の近道です。この回想録は、一条天皇の正妃である中宮定子(藤原定子)のサロンへ、28歳前後の清少納言が初めて足を踏み入れた夜から翌朝にかけての出来事を描いています。
第1フェーズ:夜更けの初対面と極度の萎縮
出仕初日の夜、清少納言は定子の御前(みまえ)に召し出されます。薄暗い御簾(みす)の奥から現れた定子の放つ神々しいまでの美しさと高貴さに完全に圧倒され、手足は震え、心臓は早鐘のように打ち鳴らされます。あまりの恥ずかしさに「涙がこぼれ落ちてしまいそう」な極限状態に陥りました。
第2フェーズ:主君・中宮定子の卓越した気配り
完全に硬直して言葉すら発せない新参者の清少納言を見かねた中宮定子は、緊張をほぐそうと手元にあった絵巻物などを取り出し、「絵など取り出でて見せさせたまふ」という機転を利かせます。最高権力者の娘であり天皇の妻である定子が、一介の受領階級出身の女房に対して見せた、極めて優雅で温かな歩み寄りでした。
第3フェーズ:翌朝の混乱と「あっけない」昼間の召し出し
自室(局)へ下がり、夜が明けてひと息つこうとした矢先、定子から「すぐに参上するように」と再度の召し出しがかかります。平安時代の身分の高い貴族女性は、昼間に他人に素顔を晒すことを極端に嫌いました。「あへなきまで御前許されたる(あっけないほど早く昼間の御前伺候を許された)」ことに驚愕しつつも、断るすべもなく再び御前へと向かいます。
第4フェーズ:雪の朝の華麗な公達と「高欄」での逃走劇
降り積もる雪の中、中宮定子の兄である内大臣・藤原伊周(大納言殿)や、貴公子・源経房(みなもとのつねふさ)らが挨拶に訪れます。色鮮やかな直衣や指貫をまとった貴公子たちが雪景色に映える中、清少納言は「高欄のもとに出で居て現代語訳」の場面にあるように、欄干のそばに身を潜め、見つかって恥をかかないよう息を殺して逃げ惑うことになります。