「皮膚がん」と一口に言っても、その実態は単一の病気ではない。発生する皮膚の層や細胞の種類によって、外見的特徴、進行速度、転移リスクは劇的に異なる。日本人に好発する代表的な皮膚悪性腫瘍は、「基底細胞がん(BCC)」「有棘細胞がん(SCC)」「悪性黒色腫(メラノーマ)」の3種類であり、それぞれ全く異なる臨床像を示す。
皮膚がん全体の約半数を占める基底細胞がんは、局所での破壊性は強いものの転移を起こすことは極めて稀だ。基底細胞がん 写真を観察すると、初期はホクロに酷似した黒色〜黒褐色の小さな隆起(結節)として現れる。特徴的なのは、病変の縁をよく観察すると「黒い真珠のような艶」を帯びた小結節が連なり、中心部がわずかに陥没して潰瘍や出血を伴う点だ。好発部位の約80%は鼻の周囲や目頭、まぶたなど顔面の中央部に集中している。
次に頻度が高い有棘細胞がんは、表皮の角化細胞が悪性化する疾患である。有棘細胞がん 初期 写真の特徴は、赤みを帯びた硬いしこりや、表面に角質・かさぶた(痂皮)を伴う不整な隆起だ。しばしばカリフラワー状に増大し、自壊して悪臭や排膿、出血を伴う。前がん病変である「日光角化症」から移行することが多く、長年強い紫外線を浴び続けてきた高齢者の顔面や頭頂部、手の甲に好発する。