Q1:中学理科と高校生物で「液胞」の解説が少し違っているのはなぜですか?
A1:教育課程の深度による違いです。中学理科では分かりやすさを最優先し、光学顕微鏡ではっきりと確認できる植物の「発達した液胞」のみを教えるため、動物細胞には存在しないと説明されます。一方、高校の生物基礎や専門生物では電子顕微鏡レベルの微細構造まで扱うため、動物細胞にも小さな液胞構造が存在すると解説されます。受験する校種に応じた記述を心がけてください。
Q2:植物細胞には細胞壁があるのに、隣の細胞とどうやって栄養や水分を受け渡しているのですか?
A2:植物の細胞壁には「原形質連絡(げんけいしつれんらく)」と呼ばれる極めて小さな微小なトンネルが無数に空いています。この管を通じて隣接する細胞同士の細胞質が直接つながっており、水や糖、ホルモンなどのシグナル物質をスムーズに輸送しています。
Q3:顕微鏡の観察実験で、なぜわざわざ酢酸オルセイン溶液を使うのですか?
A3:生きた細胞の内部はほとんどが無色透明で光を通してしまうため、核の存在を目視で確認することが極めて困難だからです。酢酸オルセインに含まれるオルセイン色素は塩基性の性質を持ち、核の中に存在する酸性のDNAと特異的に結合して赤紫色に染めるため、核の位置や形状を鮮明に観察できるようになります。
Q4:植物細胞を水につけても破裂しないのに、動物の赤血球を純水につけると破裂(溶血)するのはなぜですか?
A4:細胞壁の有無が直接の原因です。細胞内に水が浸透して内部の圧力(膨圧)が高まった際、植物細胞は強固なセルロース製の細胞壁が外側から抑え込むため破裂しません。対照的に、柔軟な細胞膜しか持たない赤血球は水の流入による体積膨張に耐えきれず、膜が破れて内容物が漏れ出します(この現象を溶血と呼びます)。