公的手続きの現場で最も混同されやすいのが、戸籍筆頭者と世帯主の違いです。両者は管轄する法律も、制度が担う目的も根本から異なっています。
戸籍の筆頭者とは、一言で表せば「その戸籍謄本の最初(一番上)に名前が書かれている人物」を指します。日本の戸籍制度は「1組の夫婦と、その氏を同じくする未婚の子」を1つの単位として編成されています。膨大な戸籍情報を管理・検索するにあたり、表紙のタイトルや本の背表紙のような「インデックス(見出し)」として設定されたのが筆頭者です。重要な点として、筆頭者であるからといって家族に対する支配権や決定権、財産上の優先権といった特別な法的権限は一切ありません。
一方の「世帯主」は、住民基本台帳法に基づく概念です。現実に同じ住居で暮らし、生計を共にしている集団(世帯)の中で、主として生計を維持している代表者を指します。世帯主は引っ越しや世帯分離、生計維持者の交代によって頻繁に変更されますが、筆頭者は後述のとおり生涯にわたって基本的に固定されます。