Q1:歯が1本もない状態でも、入れ歯を使わずに普通の食事を食べることは可能ですか?
A1:極めて危険です。歯がない場合、歯茎や舌を使って押しつぶすことになりますが、その粉砕力は天然の歯の10分の1以下に激減します。普通の食事に含まれる繊維質や弾力のある食材は噛み切れず、大きな塊のまま飲み込むことになり、窒息事故や腸閉塞のリスクが跳ね上がります。入れ歯を使用しない場合は、必ず「舌でつぶせる」「歯ぐきでつぶせる」レベルまで柔らかく調理された食事形態に変更してください。
Q2:とろみ剤を使用すると、本人が「不味い」「食感が嫌だ」と嫌がります。どうすればいいですか?
A2:とろみ剤特有のダマや粉っぽさが不快感を与えている可能性があります。まずは無味無臭で透明度の高い「第3世代」と呼ばれるキサンタンガム系とろみ剤を選んでください。また、水分にとろみを付けるのではなく、食材そのものをペーストにしてからゲル化剤で固め直す「ゼリー食」に切り替えると、喉越しが格段に良くなり受け入れられるケースが多く見られます。
Q3:栄養不足を手軽に補うために、市販の栄養補助飲料を毎日使っても問題ありませんか?
A3:極めて有効な選択肢です。ドラッグストア等で入手できる少量高カロリーの栄養調整食品(1本125mlで約200kcal、タンパク質7〜8g程度を配合したもの)は、食が細くなった歯のない高齢者にとって貴重な生命線となります。食事の代替にするのではなく、食間のおやつやデザート代わりに1日1本取り入れることで、体重減少と筋肉低下を効果的に防ぐことができます。