外国人野手の長打力に注目が集まりがちですが、近年の阪神の安定した強さを根底で支えてきたのは外国人投手のスカウティング力です。
その筆頭であるランディ・メッセンジャーは、2010年にリリーフ投手として入団したものの、先発転向を機に才能を開花させました。身長198cm、体重100kgを超える巨体から投げ下ろす重いストレートと落差の大きいフォークを武器に、NPB通算98勝84敗、防御率3.13を記録。シーズン200イニング以上を3度達成するなど、完投への強いこだわりを持った昭和の剛腕を彷彿とさせるエースでした。
大のラーメン好きとしても知られ、自らラーメン店をプロデュースするなど関西の地に完全に適応。2018年には国内FA権を取得し、翌2019年には外国人枠を外れて日本人選手扱いとなりました。同年限りで現役を引退するまで阪神一筋で投げ抜いた姿勢は、ファンから絶大なリスペクトを集めています。
そして2020年からの2年間、甲子園の9回を完全に制圧したのがロバート・スアレスです。福岡ソフトバンクホークスを自由契約となった後に阪神へ加入したスアレスは、藤浪晋太郎直伝の技術やチームのサポートを得て球速が大幅にアップ。最速163km/hをマークするツーシームで打者をねじ伏せ、2年連続で最多セーブ投手(2020年25セーブ、2021年42セーブ)のタイトルを獲得しました。
スアレスの退団経緯については、当時球団側も最大級の複数年契約を提示して慰留に努めました。しかし、契約条項に含まれていたメジャー移籍条項を行使する形でサンディエゴ・パドレスとの複数年契約を締結。阪神球団やファンへの深い感謝を口にしながらのメジャー再挑戦であり、移籍後もパドレスでMLB屈指のセットアッパー・クローザーとして大活躍を収めたことで、虎党からも誇りを持って送り出された稀有な成功事例となりました。