栄養と美味しさに優れる一方で、誰にとっても皮ごと食べることが正解とは言えない側面も存在します。体質や身体の状態によっては桃を皮ごと食べるデメリットが顕在化するため、正しい知識に基づく冷静な判断が求められます。
第1のリスクは、桃の皮は消化に悪いのかという疑問に対する医学的な視点です。桃の皮には不溶性食物繊維が豊富に含まれているため、消化器系にかかる負担は果肉単体よりも大きくなります。胃酸の分泌が低下している高齢者、消化機能が未発達な乳幼児、あるいは胃腸炎や過敏性腸症候群(IBS)を抱えている人が皮ごと大量に摂取すると、胃もたれや腹痛、下痢を引き起こす要因になり得ます。
第2の注意点は、桃の皮アレルギー症状と注意点です。桃は消費者庁が特定原材料に準ずるものとして指定するアレルギー品目の一つです。特にシラカバやハンノキなどの花粉症を持つ人は、植物の交差反応によって果物を食べた際に唇の腫れや喉のイガイガ感を覚える「口腔アレルギー症候群(OAS)」を発症しやすい傾向があります。
桃のアレルゲン物質である脂質転移タンパク質(LTPなど)は、果肉よりも果皮周辺に高密度で局在しています。果肉だけなら問題なく食べられる人でも、皮ごと口にした途端にかゆみや息苦しさを感じるケースが報告されています。初めて皮ごと試す際は、ごく少量から慎重に様子を見ることが鉄則です。