採取にあたってまず把握すべきは、カラスノエンドウ 食べられる部位と旬の時期です。成長段階に応じて美味しく食べられる部位が劇的に変化するため、採取のタイミングを逃さない観察眼が求められます。
食用として最も適しているのは、3月上旬〜4月中旬に伸びる草丈15〜20cm程度の柔らかい新芽です。茎の先端から5〜10cmほどを指先でつまみ、ポキッと心地よい感触で折れる部分だけを収穫します。筋張って折れない部分は繊維が硬く、調理しても口に残るため避けるのが鉄則です。4月下旬〜5月に入り、花が終わって緑色の若いサヤが膨らみ始めたら、今度は「若サヤ」をサヤエンドウ感覚で収穫できます。黒く熟しきったサヤは固くて食用には向きません。
また、野外採取で避けて通れないのが、同属の近縁種であるスズメノエンドウとカラスノエンドウの見分け方です。さらにその中間に位置する「カスマグサ(カラスとスズメの間)」も混生するため、以下の特徴を頭に叩き込んでおく必要があります。
- カラスノエンドウ(大型):花は鮮やかな赤紫色で長さ12〜18mmと大きく目立つ。サヤの長さは3〜5cmで、中に豆が5〜10粒入る。
- スズメノエンドウ(小型):花は白〜淡青紫色で長さ3〜4mmと極小。サヤには細かい毛が密生し、中に豆が2粒しか入らない。
- カスマグサ(中型):花は淡青紫色で長さ5〜6mm。サヤの中の豆は3〜6粒と中間的。
幸いなことに、スズメノエンドウもカスマグサも無毒で食用可能です。ただし、スズメノエンドウは全体に小ぶりでサヤに細かい剛毛が多く、口当たりが悪いため食用としての実用性はカラスノエンドウに軍配が上がります。