ネット上の節約フォーラムやSNSにおいて、「古いスマホに月額290円程度の格安SIMを挿して子供のランドセルに入れておけば、位置情報共有アプリで最安の見守りができる」という裏ワザが頻繁に語られます。しかし、この手法を教育現場の実態に照らし合わせると、数多くの重大な落とし穴が露呈します。
第1に、学校教育現場における持ち込み規程の壁です。文部科学省の指針を受け、全国の公立小学校の約9割以上が児童によるスマートフォンの校内持ち込みを原則禁止、あるいは事前申請制(緊急時以外の使用禁止・登校後は職員室預かり)としています。職員室に預けられた状態のスマートフォンは、下校時刻にランドセルから取り出すことができず、児童が携帯し忘れて下校するケースが相次いでいます。これに対し、専用GPS端末は「通知画面やゲーム機能を持たない純粋な防犯機器」として分類されるため、無許可または簡単な届出のみでランドセルへの常備が認められている学校がほとんどです。
第2に、バッテリー持続時間の圧倒的な格差が挙げられます。スマートフォンはバックグラウンドで多数のプロセスが稼働しているため、毎日または2日に1回の充電が欠かせません。小学生が毎日の充電を怠らず継続することは極めて難しく、週の半ばでバッテリー切れを起こす家庭が続出しています。一方で専用見守りGPSは、低消費電力通信技術(LTE-M)に特化して設計されており、1回の満充電で1ヶ月から最大2ヶ月近く稼働するモデルも登場しています。充電頻度の低さは、防犯機器としての稼働信頼性に直結します。