車の内輪差とは?巻き込み事故の原因と外輪差との違い・防止策を解説

車の内輪差とは?巻き込み事故の原因と外輪差との違い・防止策を解説

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車を運転する上で避けて通れない基本概念が内輪差です。そもそも、車が曲がるときになぜ前後で通るルートが変わってしまうのでしょうか。その理由は、前輪と後輪が担う機械的役割の根本的な違いにあります。

一般的な四輪自動車は、前輪の向きを変えることで進行方向を制御する「前輪操舵方式」を採用しています。ステアリングを切ると前輪は円弧を描いて外側を旋回しますが、後輪は操舵機構を持たず、前輪に引っ張られる形で遅れて追従します。このとき、後輪は前輪が描いた軌跡の内側をショートカットするように通過します。この「前輪の内側軌跡と後輪の内側軌跡の差」こそが内輪差の正体です。

これと対をなす概念が「外輪差」です。内輪差と外輪差の違いを一言で表せば、生じる局面と車輪の位置関係にあります。

  • 内輪差(前進旋回時):カーブを曲がる際、内側の前輪より内側の後輪が内側を通るズレ幅。左折時に縁石や歩行者を巻き込む主原因となります。
  • 外輪差(後退旋回時):バックでハンドルを切りながら車庫入れ等を行う際、外側の前輪が外側の後輪の軌跡よりも外側に大きく膨らみ出す現象。駐車時に隣の車両のバンパーへ接触する主原因となります。

つまり、前進するときは「内側の後輪」に最も注意を払い、バックするときは「外側の前輪(車の先端角)」の膨らみに警戒しなければなりません。

ホイールベースと内輪差の関係および計算式と求め方

内輪差の大きさを決定づける最大の要素が、前後の車輪の軸間距離である「ホイールベース」です。車幅が同じであっても、ホイールベースが長くなればなるほど、旋回時に後輪が描く円の半径は小さくなり、内輪差は劇的に拡大します。

工学的な内輪差の計算式と求め方は、ピタゴラスの定理(三平方の定理)を応用して次のように近似計算されます。

【内輪差の計算式】
内輪差 = 前輪の回転半径 - √(前輪の回転半径² - ホイールベース²)
※実務的な簡易目安としては「内輪差 ≒ ホイールベースの約3分の1(回転角90度旋回時)」と換算されるケースが一般的です。

たとえば、一般的な軽自動車(ホイールベース約2.5m)であれば内輪差は約0.5m〜0.7m程度に収まりますが、大型トラック(ホイールベース約7m超)になると、内輪差だけで約2m前後に達します。車体1台分の幅に迫る空間が後輪によって削り取られる計算になり、これが交差点の角に立つ歩行者や二輪車を呑み込む空間的トラップを生み出しているのです。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。