うな重とうな丼の違いは器だけ?味・量・価格差の真相と賢い選び方

うな重とうな丼の違いは器だけ?味・量・価格差の真相と賢い選び方

うな重とうな丼の違いは器だけ?味・量・価格差の真相と賢い選び方に関する基本知識を徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。

うな重を頼むと、高確率で添えられてくるのが透き通った「肝吸い」です。これには単なるセットメニュー以上の料理人としての合理的な理由が存在します。

うな重は「1尾丸ごと」を捌いて提供することが基本であるため、調理の過程で必ず新鮮な内臓(肝)が1つ取れます。命を余すところなく使い切る日本料理の精神から、新鮮な肝をお吸い物にして提供する習慣が定着しました。対して半身しか使わないうな丼では、肝が半端に出てしまうため、通常の赤出汁や吸い物が選ばれるか、追加料金(+300円〜500円程度)でのオプション扱いになるのが通例です。また、ビタミンAや脂質が豊富な蒲焼に対し、肝吸いの清涼感ある出汁は口内の脂をリセットする絶妙なペアリングでもあります。

また、メニュー表で誰もが悩む「松・竹・梅」や「並・上・特上」のランク分け。ここでも「梅だから痩せた質の悪い鰻を使っている」ということは絶対にありません。これも単純に蒲焼のサイズや目方の違いです。

  • 梅(並):鰻の仕込み重量が最も少なく、約半身〜3分の2尾。
  • 竹(上):標準的な1尾分。
  • 松(特上):大振りの肉厚な1尾、あるいは1尾半。ご飯とご飯の間にも蒲焼を挟む「中入れ(二段重)」仕様。

なお、歴史を遡ると「うな丼」のほうが遥かに長いルーツを持っています。発祥は江戸後期の文化年間(1804〜1818年)。日本橋堺町の芝居小屋に出資していた富豪・大久保今助が、芝居を見ながら食べるために蒲焼を熱いご飯の上に直接乗せさせ、冷めないように運ばせたのが始まりとされています。

一方の「うな重」が登場したのは昭和初期以降のこと。陶器よりも格式が高く、慶事の進物にも重宝された輪島塗などの漆器重箱を用いることで、「ハレの日のご馳走」としてブランド化を図った外食産業のイノベーションでした。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。