投資の世界において、杓子定規な常識が通用しない最たる例が「悪材料出尽くしと株価反発」の現象です。ネット上では「下方修正=無条件で即座に空売りか損切り」という極論が散見されますが、これは半分正しく、半分は完全な誤解です。
下方修正が発表されたにもかかわらず、翌日の株価が大幅高となるケースがあります。なぜそのような逆転劇が起きるのでしょうか。そのカラクリは、発表前の「株価の位置」と「市場の織り込み度合い」にあります。
業績不振の噂や月次データの悪化などによって、発表前の数ヶ月間で既に株価が30〜40%も下落し続けていた場合、市場関係者は「どうせ今回の下方修正は免れない」と最悪のシナリオを先回りして織り込んでいます。このような状況下でいざ会社から正式な下方修正がリリースされると、市場は「これで隠れていた膿がすべて出た」「不透明感が払拭された」と受け止めます。ショート(空売り)を仕掛けていた投機筋の利益確定買い戻しが巻き起こり、結果として強烈な株価反発(寄り底からの急上昇)を演じることになるのです。
この現象を見極めるポイントは、「下方修正の内容が、市場が恐れていた最悪シナリオの範囲内に収まっているかどうか」です。想定内の下方修正であれば反発の契機となり、市場の想像を絶する破滅的な数字であれば、さらなる奈落への第一歩となります。