水と油の関係にあった両組織が、歴史上ただ一度だけ極秘裏に接近した大事件がありました。それが1974(昭和49)年末に結ばれた「創共協定(そうきょうきょうてい)」です。
この前代未聞の対話を仲介したキーマンが、国民的推理作家の松本清張でした。当時、言論出版妨害事件などを経て社会的な批判を浴びていた創価学会の池田大作会長(当時)と、野党共闘で存在感を高めていた日本共産党の宮本顕治委員長(当時)の双方が、作家としての清張に厚い信頼を寄せていたことから、極秘裏の仲介工作がスタートしました。
1974年秋から冬にかけ、松本清張邸や都内の密室で双方の最高首脳による協議が重ねられ、同年12月28日、ついに池田・宮本両氏による直接会談が実現。以下の柱からなる10年間の協定が交わされました。
- 相互の存在を認め合い、誹謗中傷や敵対行為を中止する
- 信教の自由を尊重し、社会主義社会になっても信仰の自由を守る
- ファシズムへの反対と、恒久平和のための連携を模索する
この協定は当初、双方が「公表せず内部で了解し合う紳士協定」として扱われていましたが、半年後の1975年7月、朝日新聞のスクープによって白日の下にさらされることとなりました。