日本の陸上競技史に輝くスプリンターたちの走りは、私たちが参考にすべき最高の手本だ。日本記録保持者である山縣亮太の走法は、無駄なピッチのブレが一切ない「完璧な高効率フォーム」として知られる。スタート直後の静寂から寸分の狂いもなく低姿勢を保ち、最短軌道で脚を回す技術は、体格に恵まれない走者にとって最強のバイブルとなる。
一方で、世界陸上競技選手権大会の男子100メートルでファイナリストとなったサニブラウン・ハキームの走りは、圧倒的なストライドの広さと中盤からの伸びが特徴だ。TBS系列のスポーツ中継や密着番組でも度々特集される彼の走りは、接地時に骨盤を高く保ち、地面からの反発力を推進力へダイレクトに変換する手本と言える。両者に共通するのは、上半身の力みが一切なく、腕振りが体幹の捻りと完全に連動している点だ。このトップレベルの身体操作を50メートルという短い距離に応用することで、異次元の走りが完成する。